蛍光X線分析(XRF、X-ray Fluorescence Analysis)は、検体にX線を照射し、そこから発生する蛍光X線のエネルギーを測定することで、含まれる元素の種類とおおよその濃度を確認する分析手法です。検体を溶かしたり分解したりする必要がなく、比較的短時間で測定できることから、RoHS指令対応など含有化学物質のスクリーニングでよく使われています。
得意なこと・不得意なこと
蛍光X線分析は、鉛・水銀・カドミウム・六価クロムなど、RoHS指令が規制する重金属系の元素の検出には向いています。一方で、PBB・PBDE・フタル酸エステルのような有機化合物は、元素分析である蛍光X線分析だけでは直接特定できないため、別の分析手法(GC-MSなど)を組み合わせる必要があります。
検出限界との関係
蛍光X線分析には検出限界(ND)があり、精密な定量分析(ICP発光分光分析など)に比べると、検出限界や定量精度が劣る場合があります。蛍光X線分析でスクリーニングを行い、閾値に近い、あるいは判定が難しい結果が出た検体については、より精密な分析手法で追加確認するという、二段階の運用が実務でよく行われます。
実務での使い方
多くの企業では、まず蛍光X線分析で全体をスクリーニングし、規制対象元素が検出された、あるいは判定が難しい検体についてのみ、精密分析を追加するという流れで運用しています。すべての検体に対して精密分析を行うのはコストと時間がかかりすぎるため、蛍光X線分析による一次スクリーニングは実務上重要な役割を果たしています。
蛍光X線分析だけでRoHS対応の判定は完結しますか
完結しない場合があります。重金属系の元素には有効ですが、PBB・PBDE・フタル酸エステルのような有機化合物は別の分析手法が必要です。また判定が難しい結果が出た場合は精密分析での追加確認が必要です。
蛍光X線分析の結果はどの程度信頼できますか
スクリーニング手法としては有効ですが、検出限界や定量精度は精密分析に比べて劣る場合があります。規制の閾値ぎりぎりの判定には、精密分析での確認が推奨されます。