PPWRは、EU包装規則(Regulation (EU) 2025/40)の略称です。Packaging and Packaging Waste Regulationの頭文字を取ったもので、2026年8月12日に適用が始まりました。旧包装指令94/62/ECを置き換える形で、包装材そのものに対する義務を定めています。
何が変わったか
旧包装指令は加盟国ごとに国内法化される指令(ディレクティブ)でしたが、PPWRは規則(レギュレーション)として、加盟国の国内法化を経ずにEU全域で直接効力を持ちます。有害物質の上限、リサイクル可能性等級、食品接触包装のPFAS制限、過剰包装の最小化、材質表示、適合宣言書(DoC)と技術文書(Annex VII)の作成・保持が、EU共通の基準として求められます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Regulation (EU) 2025/40(Packaging and Packaging Waste Regulation) |
| 適用開始日 | 2026年8月12日 |
| 置き換えた規則 | 包装指令94/62/EC |
| 適合手続 | Module A(内部生産管理、自己宣言) |
chemSHERPAとの違い
PPWRは包装材が対象で、成形品の情報伝達スキームであるchemSHERPAとは対象物が異なります。包装材について取引先から資料を求められた場合、それがchemSHERPAではなくPPWRに基づく依頼であることが多くあります。違いの詳細は包装材はchemSHERPAの対象なのかにまとめました。
対象になる日本企業
JETROが実施した2025年度海外進出日系企業実態調査(欧州編、有効回答778社)では、42.7%の企業がPPWRの影響を受ける、または受ける見込みと回答しています。単純計算では約330社に相当し、一部の大企業だけの話ではありません。適用開始の経緯はPPWRはいつから何が義務になったのかで詳しく扱っています。
PPWRはもう施行されているのですか
2026年8月12日に適用が開始されています。有害物質の上限やDoC・技術文書の作成保持といった義務はすでに効力を持っています。2030年以降に効いてくる要件もあるため、時期を混同しないよう注意してください。
PPWRとchemSHERPAは同じ様式で対応できますか
できません。chemSHERPAは成形品と化学品の情報伝達スキームで、包装材の空隙率や材質記号、再生材含有率といった項目を扱う様式になっていません。包装材についてはPPWRの様式・手続で別途対応する必要があります。