Annex VIII(附属書VIII)は、PPWR(EU包装規則)の適合宣言書(DoC)が記載すべき10項目を定めた附属書です。DoCという文書の形式そのものを規定していると考えると分かりやすくなります。
10項目の内訳
| # | 項目 | つまずきやすさ |
|---|---|---|
| 1 | 宣言書の固有番号 | 低い |
| 2 | 製造者の名称・住所 | 低い |
| 3 | 単独責任の宣言 | 中程度。形式的な一文に見えるが責任の所在を明文化する項目 |
| 4 | 包装の一意識別 | 高い。型式・バッチ・シリアルなど。包括記述は不可 |
| 5 | 宣言対象の記述 | 中程度 |
| 6 | 適合を宣言する規則の明記 | 低い |
| 7 | 適用した整合規格・技術仕様 | 中程度。版の更新忘れに注意 |
| 8 | 通知機関情報(該当時) | 低い。Module Aでは通常空欄 |
| 9 | 補足情報 | 低い |
| 10 | 署名・場所・日付 | 中程度。責任を負える立場の人物が署名する必要がある |
最もつまずきやすいのは4番の包装の一意識別です。「自社が製造するすべての段ボール包装」のような包括的な記述は認められず、型式・バッチ・シリアル番号など対象を一意に特定できる情報が必要です。10項目それぞれの記載例は適合宣言書(DoC)の書き方にまとめました。
技術文書との整合性
DoCの7番(適用した整合規格・技術仕様)や4番(包装識別情報)は、技術文書(Annex VII)に記載された内容と整合している必要があります。DoCだけを単独で作成し技術文書を後回しにすると、当局から求められたときに宣言の裏付けを示せない状態になります。
10番の署名も見落とされがちな項目です。宣言内容を実質的に理解していない担当者が形式的に押印するだけでは、事業者自身に立証責任が残るという制度の前提と整合しません。技術文書の内容を確認できる立場の人物が署名する運用にしておくと、当局からの照会があった際にも一貫した説明がしやすくなります。
8番の通知機関情報は必ず埋める必要がありますか
PPWRの適合手続はModule A(内部生産管理)が基本で、通知機関の関与を必要としません。そのため8番は多くの場合空欄、または「該当なし」の記載になります。
複数の型式を1枚のDoCにまとめてよいですか
型式・バッチ・シリアル番号などで一意に特定できる範囲であれば可能です。ただし「今後追加される派生品を含む」といった包括的な記述は認められません。