閾値とは、含有化学物質規制において、対象物質の含有濃度がその値を超えると情報伝達義務や使用制限などが生じる基準となる濃度のことです。EU REACH規則の第33条では候補リスト物質について「均質材料あたり0.1重量%(w/w)を超える」場合に情報伝達義務が生じると定められており、この0.1重量%という数値が、多くの規制で共通して使われる代表的な閾値です。
均質材料単位という考え方
閾値の判定は、多くの場合「均質材料」(それ以上物理的に分離できない単位の材料)ごとに行われます。たとえばねじ1本であれば、めっき層と芯材は別々の均質材料として扱われ、それぞれの均質材料ごとに閾値を超えているかどうかを判定します。製品全体や部品全体での平均濃度で判定するのではない点が、実務上の誤解が生じやすいポイントです。
物質によって異なる閾値
RoHS指令では、多くの対象物質(鉛・水銀・六価クロム・PBB・PBDE・フタル酸エステル4種)の閾値が0.1重量%である一方、カドミウムのみ0.01重量%という、より厳しい閾値が設定されています。同じRoHS対象物質でも、物質ごとに閾値が異なる場合があるため、一律に0.1%と覚えてしまうと見落としにつながります。
実務での確認ポイント
閾値管理を行う際は、対象物質ごとの閾値の違いに加えて、判定単位が均質材料であることを踏まえ、部品を構成する各材料層ごとに含有濃度を把握する必要があります。取引先から届く調査結果が製品全体での平均値になっていないか、均質材料単位で判定されているかを確認することが重要です。
閾値はすべての規制物質で共通ですか
共通ではありません。多くのRoHS対象物質は0.1重量%ですが、カドミウムは0.01重量%です。規制ごと・物質ごとに閾値が異なる場合があるため、個別に確認する必要があります。
閾値は製品全体で判定しますか、それとも部品ごとですか
多くの場合、均質材料(それ以上物理的に分離できない単位)ごとに判定します。製品全体や部品全体での平均濃度で判定するものではありません。