POPs条約(ストックホルム条約、残留性有機汚染物質に関する条約)は、環境中で分解されにくく、生物に蓄積しやすい化学物質(残留性有機汚染物質、POPs)の製造・使用・排出を国際的に規制するための条約です。締約国会議(COP)で対象物質の追加が随時決定され、決定を受けて各締約国が国内法での規制を進めるという流れになっています。
PFAS関連物質の規制の出発点
PFASの中でも代表的な物質は、いずれもPOPs条約の締約国会議での決定を経て国際的に規制対象になっています。PFOSは第4回締約国会議(2009年)、PFOAは第9回締約国会議(2019年)、PFHxS関連物質は第10回締約国会議(2022年6月)で、それぞれ附属書への追加が決定されました。日本の化審法における第一種特定化学物質への指定も、こうしたPOPs条約での国際的な決定を受けた対応という流れで進められています。
PBDEとの関係
臭素系難燃剤であるPBDEの一部(デカブロモジフェニルエーテルなど)も、POPs条約の規制対象に含まれています。RoHS指令での規制とPOPs条約での規制は別々の枠組みですが、対象物質が重なる場合があります。
実務での位置づけ
POPs条約そのものは国と国との間の条約であり、企業が条約に直接対応するわけではありません。実務上重要なのは、条約での決定を受けて日本や各国が定める国内法(化審法など)の規制内容であり、POPs条約は「なぜこの物質が規制されるようになったのか」という背景を理解するうえで参照する位置づけになります。
POPs条約に企業が直接対応する必要はありますか
条約そのものは国家間の合意であり、企業が直接対応するものではありません。締約国会議での決定を受けて各国が定める国内法(日本では化審法など)への対応が実務上必要になります。
POPs条約で規制された物質はすぐに使えなくなりますか
条約での決定から国内法での規制施行までには、通常一定の期間があります。日本の場合、PFHxS関連物質は2022年6月の締約国会議決定を受け、2026年6月17日に施行という流れでした。