TOP分析(Total Oxidizable Precursor assay)は、PFAS(有機フッ素化合物)の前駆体物質を酸化分解し、分解後に生じる個別PFAS物質を定量する試験手法です。全フッ素(TF/TOF)スクリーニングや個別物質のターゲット分析だけでは捉えにくい、前駆体由来のPFASを把握する目的で用いられます。
なぜ前駆体を分解して測るのか
PFASの中には、環境中や試験の過程で分解が進むと別のPFAS物質に変化する前駆体物質が存在します。前駆体のままでは個別のターゲット分析で検出されにくいことがあり、実際の総量を過小評価してしまう可能性があります。TOP分析は、酸化処理によって前駆体を既知のPFAS物質へと強制的に分解したうえで定量するため、前駆体分を含めた総量に近い値を把握できます。
| 試験 | 捉えられるもの |
|---|---|
| 全フッ素スクリーニング | 有機・無機を問わないフッ素の総量 |
| 個別物質のターゲット分析 | 既知の個別PFAS物質の濃度 |
| TOP分析 | 前駆体を分解した後に生じるPFAS物質の総量 |
実務上の位置づけ
JPIが2026年4月10日に公開した資料によれば、EUレベルで統一されたPFAS試験法はまだ存在しません。全フッ素スクリーニングで総量を確認し、有機・無機フッ素を分別し、必要に応じてTOP分析に進むという段階的なアプローチが実務上推奨されています。TOP分析は個別物質のターゲット分析よりも一般に手間がかかるため、全フッ素スクリーニングの結果が基準値に近い場合に絞って依頼するのが費用面で現実的です。試験の進め方全体は食品接触包装のPFAS。25ppb / 250ppb / 50ppmの3つの数字にまとめています。
未確認
本記事の試験手法の位置づけは、JPIが2026年4月10日に公開した資料を出典としています。EUR-Lexの規則原文における試験方法の指定については、この記事の執筆時点で確認できていません。
TOP分析は必ず必要ですか
すべての案件で必須というわけではありません。全フッ素スクリーニングや個別物質のターゲット分析の結果、前駆体由来のPFASが疑われる場合に、追加で依頼する位置づけです。
TOP分析はどの試験機関に依頼できますか
包装材のPFAS分析に対応するラボであれば対応できる場合があります。依頼前に、対応可能な試験メニューにTOP分析が含まれているかを確認してください。