Annex XVII(制限物質リスト、Restriction List)は、EU REACH規則が定める附属書の一つで、特定の物質について、特定の用途や条件のもとでの製造・上市・使用そのものを制限または禁止するリストです。Annex XIV(認可対象物質リスト)が「個別に認可を取れば使用継続できる」仕組みであるのに対し、Annex XVIIは条件そのものが法規則として定められ、認可という手続きを介さずに制限がかかる点が異なります。
認可対象物質リストとの違い
Annex XIVは事業者ごとの個別認可を前提にした仕組みですが、Annex XVIIは特定の用途・濃度条件を直接規制する形式です。同じ物質について、Annex XIVでの認可制ではなく、Annex XVIIでの直接制限という手法が選ばれることもあり、六価クロム化合物13物質群の見直しはその典型例です。
六価クロムをめぐる見直し
六価クロム化合物13物質群については、Annex XIVからの削除とAnnex XVIIでの制限導入を組み合わせる、いわゆる規制手法の切り替えが検討されています。2023年9月29日に欧州委員会が要請し、2024年4月29日に対象が追加され、2025年4月11日にECHAが制限提案を公表しました。同年6月18日から12月18日までパブリックコンサルテーションが行われ、採択は最良シナリオでも2027年中とされています。
未確認
六価クロム関連見直しの最終的な採択時期・内容は2026年9月時点で確定していません。最新の審議状況はECHAの公式発表を確認してください。
実務でどう影響するか
Annex XVIIに新たに物質が追加されたり、既存の制限条件が変更されたりすると、それまで問題なく使用できていた物質・用途が、ある日を境に使用できなくなる可能性があります。取引先から「Annex XVII対応」を求められた場合は、自社が扱う物質・用途がどの制限条件に該当するかを個別に確認する必要があります。
Annex XVIIに載っている物質はすべて使用禁止ですか
一律禁止ではありません。物質ごとに、特定の用途や濃度条件に限定して制限がかかる形式が一般的です。条件に該当しない用途であれば使用できる場合もあります。
Annex XIVとAnnex XVIIのどちらがより厳しい規制ですか
一概にどちらが厳しいとは言えません。Annex XIVは個別認可を取得すれば使用を継続できる仕組み、Annex XVIIは条件自体が法規則で固定される仕組みで、規制の性質が異なります。