DPPは Digital Product Passport の略で、日本語ではデジタル製品パスポートと呼ばれます。製品に関する情報を、QRコードなどのデータキャリアを通じてデジタルで参照できるようにするEUの枠組みです。紙やPDFで個別にやり取りしていた情報を、製品に紐づけて追跡できるようにする考え方です。
いま名前が出てくる場面
一つはSCIP届出の廃止提案です。欧州委員会は2025年12月10日にEnvironmental Omnibusを採択・公表し、SCIPデータベースの廃止を提案しました。その代替として位置づけられているのがDPPです。ただし提案は欧州議会・理事会の審議待ちで、廃止の時期も決まっていません。
もう一つはEU玩具安全規則 (EU) 2025/2509です。2025年12月12日に官報掲載され、適用開始は2030年8月1日です。この規則では、DPPがEU適合宣言書を置き換える形で全玩具に必須とされ、QRコードなどのデータキャリアと10年の保持が定められました。
| 場面 | 内容 | 時期 |
|---|---|---|
| Environmental Omnibus | SCIP廃止提案の代替として提示 | 2025年12月10日採択・公表、審議中 |
| EU玩具安全規則 (EU) 2025/2509 | 適合宣言書を置換、全玩具で必須 | 2025年12月12日官報掲載、2030年8月1日適用 |
| EU電池規則 (EU) 2023/1542 | デジタル電池パスポートを規定 | 個別適用日は未確認 |
未確認
DPPの共通のデータ項目、対象になる製品カテゴリの全体像、電気電子機器への適用時期は、2026年9月時点で本サイトでは確認できていません。準備すべき具体的な項目はまだ確定していないものとして扱ってください。
実務上の注意
一つ目は、DPPのために今から専用のシステムを買う判断を急がないことです。要求項目が固まっていない段階で仕組みを決めると、作り直しになります。判断の目安は月10件以下ならシステムは要らないにあります。
二つ目は、それでも効いてくる準備があることです。DPPは製品と情報を紐づける枠組みなので、品番ごとに成分情報と根拠の版数が引ける状態になっていれば、様式が決まった時点で載せ替えるだけで済みます。台帳の作り方は無料でできる範囲の管理台帳の作り方にあります。
関連する語はSCIP届出とSVHC(高懸念物質)です。
SCIPの届出をやめてDPPの準備に移ってよいですか
まだ移れません。SCIP廃止は提案の段階で、2026年9月時点で審議中です。届出義務は続いています。経緯はSCIPデータベースが廃止されるかもしれないにあります。
自社の製品がDPPの対象になるかは、どこで分かりますか
製品分野ごとの法令で定まります。現時点で条文上はっきりしているのは玩具安全規則と電池規則です。その他の分野については適用の範囲も時期も確定していません。