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この業務の引継ぎが難しいのは、手順書に書けない部分に実体があるからです。どの取引先がどの様式を求めるか、過去にどの品番で何を約束したか、どのファイルが最新か。前任者の頭の中にしかない情報が、退職や異動と同時に消えます。
引き継いだ側は、半年後に差戻しを受けてから、それが失われていたことに気づきます。
入れる予定のもの
| 章 | 書き残す内容 |
|---|---|
| 1. 業務の範囲 | 何をどこまで担当していたか。他部門との分担 |
| 2. 提出先の一覧 | 取引先ごとの様式、宛先、窓口、締切の傾向 |
| 3. ファイルの所在 | 台帳・受領データ・提出済データの置き場所と、命名規則 |
| 4. 判断の履歴 | 過去に下した該当・非該当の判断と、その根拠の保管先 |
| 5. 未完了の案件 | 依頼中で未回答のもの、差戻し対応中のもの、期限つきのもの |
| 6. 社外の連絡先 | ラボ、作成代行、ツールの問い合わせ先 |
| 7. 引き継げなかったこと | 分からないまま渡すことを、あえて明記する欄 |
7章目を置いているのは、書けないことを空欄のまま渡すと、後任が「書いてないので存在しない」と読むからです。分からないと書いてあれば、後任は最初からそこを調べます。
2章の提出先一覧には、取引先ごとの細かい約束事を書く欄を広く取ります。同じchemSHERPAでも、ファイル名の付け方、成分情報まで求めるか遵法判断情報だけでよいか、送付の宛先がポータルかメールかは相手ごとに違います。この差は公式文書のどこにも書かれておらず、過去のやりとりの中にしかありません。
向いている人
- 異動・退職で担当を離れる人
- 引き継ぐ側で、何を聞けばいいのか分からない人
- 兼任の担当が1人しかおらず、その人が抜けると止まる会社
使い方
3章のファイル所在は、引継ぎ書を書き始めてから整理すると間に合いません。日常の台帳運用でファイルの置き場所と命名規則が決まっていれば、そのまま転記できます。6シート構成とキーの設計は無料でできる範囲の管理台帳の作り方にあります。
5章の未完了案件には、督促の何段階目まで出したかを書いてください。段階が分かると後任が続きから送れます。文面は返ってこない調査依頼の督促テンプレート3段階にそろえておくと引継ぎが楽になります。後任がまったくの初めてなら取引先からchemSHERPAを求められた初日にやることを先に渡してください。